イラストレーター中村佑介氏による「イラストスキルアップセミナー in アミューズメントメディア総合学院」開催レポート

 

DSC_2511_800x534イラストレーターの中村佑介氏は、ASIAN KUNG-FU GENERATION、さだまさし氏のCDジャケットや、『セーラー服と機関銃』、『謎解きはディナーのあとで』、『夜は短し歩けよ乙女』から高校生の教科書まで、数多くの書籍カバーイラストを手掛けている。

 

中村氏は後進の育成にも力を入れており、2016年8月21日に、アニメ、ゲーム、漫画、声優など、エンタメ分野のプロを輩出する「アミューズメントメディア総合学院」で「プロから教わるイラストスキルアップセミナー」を開催した。

イラストレーターを目指す学生たちの質問に答えながら、プロとしての心構えや、学生のうちにやっておくべきことを伝授。セミナーの最後には、在校生のイラスト作品を添削した。

 

誰かのためのイラストレーション

学生による「何のために絵を描いているのですか?」という質問に対して、中村氏は「絵を見てくれる誰かのためです」と答え、「学生の皆さんの中には、プロになるとクライアントの要望があるから、自己表現ができないと考えている人もいると思いますが、そもそも自己表現とはなんでしょうか」と続けた。「例えば、無人島で生活することになったとして、自分以外の人がいない中で、絵を描くでしょうか」と参加者に問いかけた。

 

さらに中村氏は「絵の起源は壁画であり、絵は人に伝える記号(手段)として生まれた」と説明し、自己表現のためだけでなく、見る相手のことも考えて描く絵が、イラストレーションですと語った。

 

中村氏は学生時代、大阪芸術大学芸術学部デザイン学科で「デザイン」について学んでおり、イラストは趣味で描いていた。イラストレーターになるきっかけは、趣味で描いていたイラストを友人の勧めで展覧会に出展し、多くの来場者から「この絵はどこで買える?」「グッズは売っているのか」など、人気を得たことであった。

それから、一人でも多くの人にイラストを見てもらいたいと考え、より見やすい、分かりやすいイラストをテーマに制作を進めたと振り返った。

 

 

■ CDジャケットや書籍表紙は、何万人もの目に触れる展覧会。

 

卒業後、自身がプロとして仕事をする中でイラストの表現以外にも、どうやったらイラストをより多くの人に見てもらえるのかを意識するようになった。展覧会では、多くても1000人程度にしか見てもらえないが、店頭に並びお客様や読者に見てもらえるイラストの仕事は、店頭や宣伝によって、その100倍くらいの人に見てもらえる。書籍が書店に並べば、全国の人に見てもらえる非常に優れた展示の場であると考えるようになった。

 

商品のイラストを意識して自身の絵を見たときに足りないものが多いように感じたと中村氏は語る。当時、イラストの中で白・黒・赤の3色しか使っていなかったため、これでは、美大生などのコアなイラストファンや、漫画文化が下地にある若者の評価は得られるが一般層からは好かれないと思い、中村氏はそれ以降、色の組み合わせやイラストの色の比率に注目してイラストを描くことになる。

 

男子トイレ・女子トイレのマークが、お手本です。

 

「男子トイレ・女子トイレのマークを遠くから見たとき、誰もが色で判断する。つまり絵柄よりも色の情報の方が先に入るのです」と中村氏は学生たちに色の大切さを説明した。例えば、書店でもまずは色が目に入り、本に近づいてはじめてイラストの形を認識する。色を考えることで、イラストの伝達力に広がりが生まれる。商品になる絵には、その広がりが大切であり、より一般層の目に入り嫌われない絵でないといけないと続けた。

 

他にも、中村氏が絵を描く際に気を付けていることとして、若者には分かるが、高齢者には分からいないアイテムをイラストに入れないなど「ある一定の層にしか理解できないモチーフをイラストに使わない」ことを挙げた。すべては、より多くの人に伝わるイラストを描くためであり、「見た人に「これ何なの?」と質問をされる時点で、イラストとしては失格ですから」と最後に加えた。

 

普段はイラストを熱心に見ない人でも、全国の書店やCDジャケットで中村氏のイラストを見たことがある人は非常に多いだろう。この徹底した「より多くの人にイラストを見てもらい、楽しんで欲しい」というこだわりこそが、中村氏のイラストを広く一般層に至るまで有名にした原動力ではないだろうか。

 

イラストの主役はクライアントである。
学生からの「自分の個性をどうやって見つけましたか?」という質問に対して、中村氏は「自分の個性を考えないこと」と答えた。個性を見つけたいと考えている内は、自分のことばかり考えて、絵を見てくれる相手のことが見えていない。まずは、自分の絵のスキルアップを考え、たくさん絵を描いて見せること。個性とは自分で見つける物ではなく、絵を見せていく中で、相手から自然と識別されるものだと学生たちに話し、さらに、「クライアントを主役にするのがイラストやデザインであり、自分の個性を詰め込むことではない」と諭すように伝えた。

中村氏が、さだまさし氏のCDジャケットを手掛けたときは、さだまさし氏のCDをすべて聴き、手に入る資料にすべて集めて、50~60代のファンの追体験をすることからはじめた。

『謎解きはディナーのあとで』のカバーイラストを手掛けた時は、作品を何度も読み込んだ。書籍のカバーイラストは作品の魅力を1枚の絵として表現する必要があり、国語のテストでよくある、文章を読んだ後に著者の言いたいことを25文字以内でまとめよ、という問題に非常に近いと話した。

最後に「まずは、クライアントの事を調べることからはじめて欲しい。よく知らない人へのプレゼント選びが困るように、アイデアは降ってこない、調べた分だけ選択肢が見つかる」と語り、回答を終えた。

 

学生のうちにしておくこと。

 

「絵以外のことこそ、将来の絵の武器になるので、合コンに行ってみるのもいい、ディズニーランドに行ってみるのもいい。とにかく、イラスト以外にも、いろんなことに興味を持った方が得です。そして、イラストも言葉と同じコミュニケーションなので、友達といっぱい話そう」と、学生という身分を誰よりも謳歌して欲しいと、中村氏は話す。自身も学生時代から服が好きであり、女性ファッション誌を読んでいた経験が、色彩の組み合わせや、季節の表現に生きていると振り返った。

 

最後に、「将来、イラストに詳しくない人こそが消費者になる訳なので、学生時代からイラストに興味のない友達にこそ、自分の作品を見せて欲しい。そこで得られる感想が、世の中の評価に最も近い」と語り、場を締めくくった。

これは、学生に向けた言葉にはなっているが、イラストレーターを目指しているすべての人にとって、得るものがある言葉だと感じられた。

 

 

中村 佑介(なかむら ゆうすけ)

1978年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATION、さだまさしのCDジャケットをはじめ、『セーラー服と機関銃』、『謎解きはディナーのあとで』、『夜は短し歩けよ乙女』、音楽の教科書など数多くの書籍カバーを手掛けるイラストレーター。作品集『Blue』と『NOW』は13万部を記録中。初の教則本『みんなのイラスト教室』も話題に。

http://www.yusukenakamura.net/

 

 

アミューズメントメディア総合学院

1994年に創立して以来、一貫して変わらない「産学共同・現場実践教育」の教育理念の基、独自のシステムによってゲーム、アニメ、イラスト、小説などのコンテンツを創り、在学中から商品として市場に送り出すことができる学校。

http://www.amgakuin.co.jp/contents/chara/

 

アミューズメントメディア総合学院の体験説明会では、今後もスペシャルゲストを招いたイベントやスキルアップ講座を開催します。

https://www.amgakuin.co.jp/ssl/setsumeikai/detail.html?gk=cra-list

 

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