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『マイマイ新子と千年の魔法』新宿で公開宣伝会議を開催! [02月25日]
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「webアニメスタイル」では定期的にトークショーを中心としたイベントを開催しているが、その第54回となる『マイマイ新子と千年の魔法 公開宣伝会議』が、2010年2月7日に新宿・ロフトプラスワンで開催された。
『マイマイ新子と千年の魔法』は高樹のぶ子の自伝的小説を原作としたもので、2009年11月に全国で公開されたアニメーション映画。同イベントには監督の片渕須直氏、アニメ評論家の氷川竜介氏、司会進行としてアニメスタイル編集長が登場。当日会場は多くのファンで満席となっていた。
▲左からアニメスタイル編集長の小黒祐一郎氏、
監督・片渕須直氏、アニメ評論家の氷川竜介氏
イベントでまず議題となったのは、「『マイマイ新子』はなぜ泣けるのか?」。『マイマイ新子と千年の魔法』を観た人の感想としてあがってくるのは、「なぜだかわからないけど感動した」というコメントなのだという。小黒氏がこの作品を観たときの感想は、「これはどうやって売るんだ?」。当時は観客が泣くとは思いもせず、個々の表現は豊かでありながらも売り方が難しいトリッキーな映画だと感じ、思わず監督に「百合作品として売ったほうがいいんじゃないですか」と言ったという。だが、実際には氷川氏の奥様をはじめ、観るたびに違うシーンで泣いてしまうファンが多い。
監督は観客を泣かせてやろうと思い、『マイマイ新子』を作ったのか? その問いに片渕監督は「なんだか知らないけど泣ける、と言われるとは思った」という。実はこの作品のベースになっているのは『アルプスの少女ハイジ』で、監督が数年前にDVDで観ている際にボロボロと泣いてしまったそう。その時に感じた『ハイジ』のいいところを大事にして『マイマイ新子』を制作したという。片渕監督は『マイマイ新子』を観て泣けるのではあれば、監督自身がなぜか『ハイジ』でバームクーヘンを食べているシーンで泣いた(!?)ように、表現やストーリーではなく何か本人のバックグラウンドに直接響くものがあるせいではないかと分析する。
『マイマイ新子』は映画公開当初、それほど客入りが良かった作品ではなく、劇場でも夕方以降の回はなかった。映画は公開された週末2日間の動員数で結果が出され、その後の上映回や上映期間が決まるためだ。それがこうした息の長い作品になっているのは、監督自らがTwitterをはじめ、それを関係者やファンが応援したことがきっかけだった。ネットで盛り上がり始めると徐々に朝の上映回にも観客が増えたほか、都内・阿佐ヶ谷にあるミニシアター「ラピュア阿佐ヶ谷」でもレイトショー上映。親子連れなどの姿もみられるようになったという。
その後、映画館側から上映したいという申し出があり、大々的とはいえないまでも現在もロードショーが着実に続いている。その都度、舞台挨拶が行われることもあり、各所に顔を出している監督は、自らを“まるで舞台挨拶業”と称し、会場のファンを笑わせた。
▲宣伝プロデューサーの山本氏(写真右から2番目)と
エイベックスのプロデューサーの岩瀬氏(写真右端)も参加
休憩を挟み、後半からは宣伝プロデューサーの山本氏とエイベックスのプロデューサーの岩瀬氏も参加。岩瀬氏はTVスポットについて、93分観ても「なんだかわからない感動」がある映画を15秒のTVスポットで表現するのは無理と判断して、アニメにしては異例だが実写のパートを加えて制作したこと、またそれを地上波放送していた『天空の城 ラピュタ』に挟み込んだことなど、これまでの宣伝について説明した。
さらに、今度は会場の参加者から今後の宣伝プランについて意見を募ると、次々と手が上がった。
「ターゲットをどこにおくのかをハッキリさせるべきでは」
「なにか女の子にも受けそうなキャラクター性のあるものをつくる」
「舞台の山口県の防府の方ともっとタイアップをはかれないのか」
「若い女の子たちに観てもらえば、もっと息の長い作品になるのではないか」
「マイマイ新子芸人をつくるとか」
など、真面目なものから笑ってしまうものまで数多くの意見が出された。これに対して監督やプロデューサーは、丁寧にメモを取り現状を考慮しながらその可能性などを語り前向きに検討。まさに「宣伝会議」というにふさわしい内容となった。
最後に氷川氏は「観ている人の力もアニメを薄っぺらいものにしないために必要なもの」とコメント。ラストに飛び入りしたマッドハウスのプロデューサー・丸山氏は「映画は初動で今後の動員数がわかってしまい、人が入らないと判断されれば次がつくれなくなってしまう。でも、もしもそうではなく違った現象が起きれば、これはすごいこと。その兆しが無いとは言えない」と語り、こうして今後も作品を盛り上げていこうとするスタッフやファンの姿勢に期待を寄せる。
片渕監督は「普通の映画として正面から宣伝し、まっとうなスタイルで公開してもらったことは映画に対しての好評価だったと思っています。その上で、スタッフや皆さんがゲリラ戦的に展開していこうとしてくださっていることは本当に嬉しいです」と感謝を述べた。
こうしておよそ2時間におよぶ会議は終了。すでに公開された1作品についてこれだけ監督とファンが一緒になって今後を語りあうことは希だろう。だが、こうしたイベントを行うことでより良い作品がずっと愛され続けていくのは、作品にとっても監督にとっても、またファンにとっても、一番幸せなことではないだろうか。
【作品情報】
『マイマイ新子と千年の魔法』
【今後の映画祭情報】
2/26~3/21開催 「ニューヨーク国際児童映画祭2010」正式出品
3/18~3/21開催 「リール・アニメーション映画祭」Japanimation部門正式出品
4/1~4/5開催 「台湾国際児童フィルム祭」外国映画部門正式出品/オープニング上映
【公開情報】
<東京>シネマ・アンジェリカ(3/13~4/2)
<神奈川>横浜ニューテアトル(上映中~2/26)
<北海道>シアターボイス(3月上映予定)
<兵庫>宝塚シネ・ピピア(3/20~4/2)
<山口>ワーナー・マイカル・シネマズ防府(上映中~2/26迄)
<佐賀>THEATER CIEMA(3/20~)
<長崎>長崎セントラル劇場(3/20~3/26)
【STORY】
あの頃。9歳。新子は、転校生・貴伊子の笑顔が見たいと思った。
青い麦畑が一面に広がる地方の町。快活な少女・新子は、麦畑に飛び込んで、その昔あったという千年前の都や、そこに住む少女など様々な空想をすることが大好きです。クラスになじめずにいる転校生・貴伊子を麦畑に連れ出す新子。しだいにうちとけてきたふたりですが、大切にしていた金魚の「ひづる」の死をきっかけに、大きく揺れ始めます。悲しむ貴伊子をいたわる新子は、「ひづる」を史跡の近くに埋めます。
千年の時がもつ奇跡に願いをかけて──。
【STAFF】
原作:髙樹のぶ子 (「マイマイ新子」マガジンハウス・新潮文庫刊)
監督・脚本:片渕 須直
エグゼクティブプロデューサー:丸田 順悟
製作:千葉 龍平/野田 助嗣/丸田 順悟/岩田 幸雄
企画:堀 健一郎/吉田 剛/丸山 正雄
キャラクターデザイン・総作画監督:辻 繁人
演出:香月 邦夫/室井 ふみえ
画面構成・作画監督:浦谷 千恵
メインアニメーター:尾崎 和孝/今村 大樹/川口 博史
美術監督:上原 伸一
色彩設計:橋本 賢
撮影監督:増元 由紀大
音楽:村井 秀清 Minako“mooki”Obata
主題歌:「こどものせかい」コトリンゴ(commmons)
挿入歌:“SING”by Joe Raposo c by JONICO MUSIC INC.
山口弁監修:森川 信夫
後援:山口県 /山口県教育委員会
協力:山口県フィルム・コミッション/防府市
支援:文化庁
アニメーション制作:マッドハウス
「マイマイ新子」製作委員会:エイベックス・エンタテインメント、松竹、マッドハウス、山口放送
配給:松竹
【CAST】
青木新子:福田麻由子
島津貴伊子:水沢奈子
諾子(なぎこ):森迫永依
青木長子(新子の母):本上まなみ
【関連リンク】
『マイマイ新子と千年の魔法』公式サイト:http://www.mai-mai.jp/index.html |
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