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イベント変態でも人間だ!『無限の住人』記者会見、 「浅野道場復興会歌舞伎町決起集会」レポート
[04月30日]
2008年の3月末に発表された『無限の住人』のアニメ化決定。原作は、1993年、アフタヌーン誌上に登場するや、その圧倒的な画力・大胆な演出・斬新な殺陣……等々により「時代劇」というジャンルを一躍、エンターテイメントの主流へと蘇らせた[ネオ時代劇]!
「勝つ事こそ剣の道」と断ずる逸刀流統主(いっとうりゅうとうしゅ)・天津影久(あのつかげひさ)に両親を惨殺された少女・凜は、身に血仙蟲(けっせんちゅう)を埋め込み不死身となった100人斬りの男・卍(まんじ)を助っ人とし、仇討ちの旅に出る――!
その『無限の住人』が満を持してアニメ化され、AT-Xにて2008年7月13日(日)より全13話の予定で隔週で放送開始される。
監督には『.hack//』シリーズなどを手がけるベテラン・真下耕一、シリーズ構成に『機動新世紀ガンダムX』などの川崎ヒロユキを迎え、全編HDで制作される。キャストにも、万次役に関智一、浅野凜役に佐藤利奈、天津影久役に野島裕史、凶戴斗役に中井和哉の他、小西克幸、浪川大輔、能登麻美子、豊口めぐみ、森川智之、三木眞一郎、坂本真綾といった豪華声優陣が集結。アクション剣劇を盛り上げる。
その『無限の住人』アニメ化記念イベント、「浅野道場復興会歌舞伎町決起集会」が2008年4月27日(日)に東京・新宿のロフトプラスワンで行われた。イベントの直前に行われた記者発表会では、原作者の沙村広明先生、真下耕一監督、シリーズ構成の川崎ヒロユキ氏が登壇し、アニメ化への意気込みなどを語った。
ここでは、その模様をレポートしよう。



──『無限の住人』のアニメ化が決定したことの感想などをお願いします。

原作者・沙村広明先生(以下 沙村):
正直に言いますと、「アニメ化」と聞いても「ふーん。」という感じでした。それは今まで何度もアニメ化の企画が出ては、何度もぽしゃっているので。川崎さんの脚本が出来てきて、ようやく実感が沸いてきました。ありがたいことだと思います。

真下耕一監督(以下 真下):
自分はこれまで、かわいいものから、ドライでディープな作品までやって来ていますが、時代劇は初めてで。昔、時代劇小説を、アニメ化しようという企画もあったのですが、なかなか実現しなかった。今回ずっとやりたかった時代劇で、やっと巡り合えた奇跡のような作品『無限の住人』をアニメ化することができて、感激しています。

──脚本を書くにあたり、苦労した点などは?

シリーズ構成・川崎ヒロユキ氏(以下 川崎):
真下監督から、去年の6月ぐらいにこの企画の話を頂き、突然「原作を読んでくれ」と言われたのですが、膨大な量の原作コミックを読み込み、頭にたたき込むのが、今までで一番キツイ作業でした。読み終わった後は、完璧に頭に入ったのですが、今思うとそれがキツかったです。原作のデータが多い分だけ、読者の方々も思い入れを持ってアニメをご覧になるので、ファンの方と同じくらい体に入れないといけないというのが、大変でした。



──監督にお聞きしたいのですが、「やっと巡り合えた作品」というのはどういうことでしょうか?

真下:
アニメビジネスでは、ロボットもの、アクション、アドベンチャーと色々な作品がありますが、「時代劇」というジャンルはなかなかアニメが実現しない真空地帯に近い状態がしばらく続いているんですね。その中で、時代劇に巡り合えたという、奇跡の解釈なんですが。嬉しいことに古典的な時代劇でなく、エネルギッシュなパワーを持った、世間で言われている「ネオ時代劇」であったという意味なんですが、アニメとして原作のテイスト、テーマを映像と音と空間で表現していくことができるということが、奇跡に近い非常に稀なチャンスというか、企画だと本当に思っています。これはアニメだけでなく実写でも、あるいはハリウッドでの映像化の話もあったのではないかと思うような作品なので、まず、奇跡中の奇跡だと思っていいのではないかと思います。

──真下監督として、時代劇をやられるのは初めてだと思うのですが、漫画的な表現などをアニメ化するポイントや、真下作品にはこれまでなかった演出法などがありますか?

真下:
ちょっと極端に言うと、アニメと原作はそんなに変わっていないです。漫画での暴力描写とか、読者がどうするんだろうかと心配される部分は、実はあまり心配していません。それよりも主役をはじめ、登場人物が非常に「変態」なんですよね。人類が持っている「変態のDNA」というものを沙村先生が10数年前に二十代で着手したという、その部分ですね。多分、本物の純粋な「変態の遺伝子」を持っている、その部分の表現が一番難しいと思います。SだMだという「変態ごっこ」はジョークで言うこともあるけれども、「本物の変態」もそれぞれ「人類である」という「人間である」「ヒューマンビーイングである」という部分を表現するのが、本当に大変で、思いきり大変ですね。それを13話で観ていただきたい。分からなくなったら原作を読んでいただくと、なるほどなぜこの作品を作りたかったのか、分かっていただけると思います。
それから、演出手法に関しては、HD(ハイビジョン)で制作しているので、我々もそれをふまえて単にハイクオリティでは駄目だと現場での結論になっているんですね。それは、どんな現場、スタッフでもそうなんですが、映像表現で「酔わせる」ディテールを持ってなければいけないということです。アニメは線と色と音とCGなどが入っていますが、えらいこだわりを思って制作しています。だから、ぜひ大きい画面で観ていただきたい。HDで観ないとこの美しさが絶対に分からないという、そのとば口までやっと出来たと思います。苦労して苦労して、テストに3ヶ月ぐらいかけて作った映像なので、ぜひぜひHDで観てください。何度も何度も観てください。

──沙村先生に質問ですが、第1話を観た感想をお願いします。


沙村:
一言で言うとエロかったです。(一同笑)色々と絵コンテとかを観て思ったのですが、監督は多分、俺よりも叙情派でいられるのだと思います。斬り合いのシーンもさることながら、それ以外のヒロインと主人公とか、まだ生きている卍の妹とかの触れ合いとか、1話は原作で言うと第1回、第2回でもともと投稿作品だったんですが、もともとの漫画よりも丁寧に描かれているので、俺の描いたものと思えないようないい感じになっています。そういう意味で、多分原作では血なまぐさい部分とかが苦手な女の人などが観ても、感心していただけるのではないかと思う出来上がりでした。ぜひみなさんご覧になっていただきたいです。

──川崎さんに質問ですが、読者に負けないぐらいこだわりを持って、脚本を書かれたとおっしゃっていましたが、具体的にはどんな部分でしょうか。

川崎:
単純にキャラクターが持っているパーソナリティを強化していく部分とかですね、せっかくアニメ化するのだから、ちょこっとだけ、キャラクターの持っている背景を入れていく。たとえば、黒衣鯖人(鯖は旧字)さんのこっち側の首は元奥さんとか、川上新夜は女房に逃げられているとかいうところを本当に少しなんですが、入れていこうかと。それで、今の連載中の原作からは10何年前にあったことなんですが、もう一回読者の中で再確認をしてもらいたいと思います。「そうそう、原作ではそうだった」と思ってくれるような、個々のキャラクターの上書き作業をしました。変に新しいことを混ぜ込むのではなく、原作の情報を補完するような形で、キャラクターにこだわりました。といいながら、各話完結のような部分もありますので、マイエピソードを必ず一つ、続く時はしっかり続く、終わる時はバッチリ終わるというメリハリをつけてやりました。

──最後にみなさんにファンの皆さんへ一言、意気込みをお聞かせてください。

沙村:
新しいファンも、10年以上付きあっている古い読者の人にも、「やっと来たよ」という感じの映像だと思うので、色々と個人の思い入れの部分で、「ここもっとこうして欲しかった」とか「ここが良かった」とか色々あると思うのですが、細かいこだわっている部分などもあるし、楽しんでいただければと思います。わりと原作の立場から細かいチェックをそれほどしないで、監督や川崎さんに変えてもらった部分を楽しむ立場だったので、読者や視聴者の人たちもそうであればと思います。

川崎:
出来たものを観ていただいてというのが正直な気持ちなのですが。こういう場所なので、お酒に例えると原作は、ガンガンに高級なモルトウイスキーの原酒のようなものなんですね。もちろん、そのままはなかなか出せないので、冷やしたり温めたりしますけど、できる限りそのままお客さんに飲んでいただくぐらいの意気込みでやっていますので、期待してください。

真下:
先ほど申し上げましたように、私と川崎が数ヶ月かかって沙村先生の作品を徹底的に分析しました。こんなこと言うと怒られてしまうと思うのですが、読みにくいんですよね。(一同笑)人物があっちこっちに散らばっているんでね。それを私が一番、シリーズ構成者として川崎さんに大切にしてくださいと言ったのは、この登場人物・変態をとにかく、男なり女なりを美しい形でまとめてやってくれと言いました。その部分を川崎が見事にやってくれたので、後は我々スタッフが沙村変態遺伝子を、どう描ききるかというその勝負になっていると思いますので。この沙村先生のまさしく直系の子供と言ってもいい登場人物たちが出てきますので、その部分をアクションとか、(アクションちょっとやり過ぎちゃったかなとか暴走してしまったかなとか色々あるんですが)、それはまたアニメーションとしてエンジョイして欲しいと思います。一番観ていただきたいのは、登場人物の屈折、「それでもやつらは人間だ」という部分を、この地下世界から地上世界に放送したいなと思っています。ぜひ観ていただきたいと思います。

──ありがとうございました。




直後のイベントでは冒頭で第1話を上映、さらに途中で第2話を上映するという贅沢なイベント内容で、さらに、サプライズゲストとして、万次役の関智一さん、浅野凜役の佐藤利奈さんも登場し、会場は多いに盛り上がった。このイベントチケットが2日で完売したほどの原作の強烈なファンがいる作品ということで、アニメ制作にも難しい部分があったと言うが、その成果であるHDのハイクオリティな映像を何度も観て欲しい。7月からの本放送に期待しよう。

【イベント情報】
アニメ『無限の住人』完成記念試写会イベント開催決定!
3会場約1000名様をご招待!

◆「浅野道場復興会 大阪大会」6月29日(日)13:30~
会場:オークホール
◆「浅野道場復興会 名古屋大会」6月29日(日)19:30~
会場:アートピアホール
◆「浅野道場復興会 東京大会」7月6日(日)18:30~
会場:講談社 本館6階講堂 

出演者:沙村広明先生、真下耕一監督、脚本・川崎ヒロユキ氏、他、出演予定。
応募要項:郵便はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、希望会場を明記の上、応募先までお送りください。

応募先:〒101-8790 神田支店 郵便私書箱1号
「(株)講談社 浅野道場復興会 ○○大会」係
○○には希望会場を明記ください。

締め切り:2008年6月6日(金)消印有効
※発表は招待状の発送を持ってかえさせていただきます。
応募者多数の場合は、抽選とさせていただきます。ご了承ください。

詳細は公式ホームページへ:http://mugen.kc.kodansha.co.jp

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TVアニメ『無限の住人』


◎キービジュアルスタッフ
原画:山下喜光
仕上げ:小島真喜子
特殊効果・撮影:加茂あゆみ



【放送情報】
AT-Xにて
第1話:2008年7月13日(日)24:00~
(リピート放送7月19日(土)19:00~、他)
第2話:7月27日(日)24:00~
(リピート放送 8月2日(土)19:00~、他)
以降同様に。隔週日曜24:00~本放送、
翌週土曜日19:00~、他でリピート放送


【STORY】
刮目せよ!  凶気の宴、 ここに開幕!
「勝つ事こそ剣の道」と断ずる逸刀流統主(いっとうりゅうとうしゅ)・天津影久(あのつかげひさ)に両親を惨殺された少女・凜は、身に血仙蟲(けっせんちゅう)を埋め込み不死身となった100人斬りの男・卍(まんじ)を助っ人とし、仇討ちの旅に出る――!


【STAFF】
原作:沙村広明(講談社 月刊「アフタヌーン」連載)
監督:真下耕一
シリーズ構成:川崎ヒロユキ
キャラクターデザイン:山下喜光
得物デザイン:肥塚正史
色彩設計:小島真喜子
美術監督:海野よしみ
撮影監督:五十嵐慎一/齋藤仁
音楽:大谷幸
音楽制作:ポニーキャニオン
音響監督:なかの とおる
制作:BeeTrain
制作協力:Production I.G

【CAST】
万次:関智一
浅野凜:佐藤利奈
天津影久:野島裕史
凶戴斗:中井和哉
黒衣鯖人(「鯖」は旧字):江原正士
閑馬永空:小西克幸
川上新夜:浪川大輔
槇絵:能登麻美子
百琳:豊口めぐみ
偽一:森川智之
尸良:三木眞一郎
町:坂本真綾



【関連リンク】
『無限の住人』公式ホームページ

(C)2008沙村広明・講談社/浅野道場復興会
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