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『マクロスF』の背景を語る!! 東京国際映画祭「ビジョンクリエーター河森正治の世界」レポート! [11月12日]
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10月18日から六本木ヒルズで開催された東京国際映画祭。そのアニメーション上映企画『animecs TIFF』にて、『マクロスF(フロンティア)』の総監督で知られるビジョンクリエーターである河森正治によるプログラム・“ビジョンクリエーター河森正治の世界”が10月19日(日)に開催された。アニメーション業界デビュー30周年を迎えた河森正治が、代表作数作を中心に自らの軌跡をたどる。
プログラム内容は、第一部で、1996年、宮沢賢治生誕100周年を記念して制作された『イーハトーブ幻想~KENjIの春』を英語字幕付で上映。河森正治にとって物語のテーマ性と映像技法との両面で大きな転機となった作品だ。今年の東京国際映画祭は、「地球環境を守る」ための「エコロジー」の重要性をテーマということもあり、本作が選ばれた。
第二部では、9月に最終話を迎えた大人気作品『マクロスF(フロンティア)』をはじめ、「マクロス」シリーズ、『地球少女アルジュナ』『創聖のアクエリオン』など河森正治自身がセレクトした数作品を司会者とのトークショー形式で振り返った。過去、現在そして未来に向ける河森正治の全貌が明らかになる充実のイベントだった。
ここでは“ビジョンクリエーター河森正治の世界”の模様をレポートしよう。
司会による河森監督のこれまでの経歴が簡単に説明された。アニメ監督でありながら、『マクロス』の“バルキリー”を生み出した変形メカデザインの第一人者であり、原作、脚本、絵コンテ、玩具監修等も手がけるビジョンクリエーターだ。代表作に『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』(原作・監督・ストーリー構成・メカデザイン)、『創聖のアクエリオン』(原作・監督・メカデザイン)、ソニー『AIBO(ERS-220)』の外装デザイン、日産「デュアリス」のデュアリス・パワードスーツデザイン等。最新作は、マクロス25周年記念企画『マクロスF』(原作・総監督・メカデザイン)などを手がける。その後、観客の拍手に迎えられての河森監督が登場。河森作品、30年の足跡を振り返りつつのトークショーが始まった。
河森監督は、今回の主旨として、「内容の話とかは映像作品なんで、内容は見てもらえば良いかなとか思うので、その作品を作るに至ったバックボーンとなる取材体験とかを話して行きたいと思います。……駆け足で(笑)。」と語った。
宮沢賢治を追体験しようと思った『Kenjiの春』
──今回の『Kenjiの春』はコレを描くために河森監督が実際に取材にいっていらっしゃるんですか?
河森正治監督(以下 河森):えっと2、3週間ずっと宮沢賢治さん本人が歩かれた場所や作品で書いていた場所はほとんど回って、そのとき(宮沢賢治は)「どんな感じで書いたんだろう」って追体験しようと思ったんですよね。
──1ファンとしてすごく率直に思うのは、ほとんど原作モノやってらっしゃらないですよね?
河森:原作モノ、何度か依頼はあったんですけど、ことごとく失敗していますね。やる前に「こんなに変えるとは思わなかった」っていって降ろされているという……(笑)。
「変わっても知りませんよ?」と言っても「どんだけ変えてもいいから」「いや、ほんっとに変えますよ?」と確認したのに「こんなに変えるとは思わなかった」と言われて3回くらい降ろされてます(笑)。なので、今までやろうとしなかったわけではないんですよ。
今回の『Kenjiの春』については元々、3作品くらいずっと掛け持ちで何年もやっていた時だったので、それがちょうど終わって一息ついたので、しばらく休もうと思っていたんですけど。グループ・タックのプロデューサーさんにちょっと話があるんだけど……と呼ばれまして。ロボットモノだったら断ろうと思って向かったんですが、「宮沢賢治の一生なんだけど……」といわれて、それならやります、と(笑)。
──宮沢賢治に自分の春について書いた作品があるわけでないですよね。
河森:そうですね。賢治さんの作品だったら断ろうと思ったんですけど……変えちゃったら大変なことになるんで(笑)。賢治さんの一生を作品化するならなんとかなるかなみたいな。ただ、1時間枠の番組だったので、一生は無理だから半生でもいいですか? と。
──取材はどれくらいの期間かけて行われたんですか?
河森:岩手のほうに行っていたのは2週間くらいなんですけど、期間としては季節なども変えて半年くらいかけて取材していますね。資料用の写真なども自分で撮影してます。
──幻想的な作品になっていて、CGから色鉛筆アニメまで使われているわけですが。
河森:そうですね。あらゆるメディアをハイブリッドしようとしたのが『Kenjiの春』ですね。
『マクロス愛・おぼえていますか?』
好きだからこそ違うものが作りたい
──それまでの戦争ロボットアニメって基本的に殴ったり銃だったりで戦うと思うんですが歌にしたというのは何故ですか?
河森:なんとかして人と同じことをしたくない性格だったので、大学行きながら通っていたスタジオぬえは「ガンダム」にも「ヤマト」にも関わっていたので、武力で解決したらそれらと同じになっちゃうから。「ヤマト」も「ガンダム」も大好きなんですけど、大抵の場合、好きなものがあると、それに似たものを作りたいという人が多いと思うんですけど、自分は“好きだからこそ違うものが作りたい”っていう気がするので。何とかして武力以外の解決はないかなと思って。で、キャラクターデザインの美樹本君が美少女が歌手の歌っている絵を描いていたので、じゃあそれを使って戦いを終わらせることが出来たら、そんな作品、ほとんど無いだろうなと思ってやったんですよね。
──もし美樹本さんが女性ではなく、男性ボーカリストを描いていたら男性が歌っているような作品に……。
河森:可能性はありますね(笑)。……でも、彼は好んで男は描かないですね(会場笑)。
──「マクロス」に関しては取材はされたのですか?
河森:やっぱり飛行機を沢山見に行きましたね。TVシリーズが終わった後にはアメリカに3週間くらい行って、飛行機やミュージカルショー、博物館やロケットの打ち上げまでずーっと一日中見る日々でしたね。ただ、『愛・おぼえていますか』が終わった後にもアメリカに行って、ロケットや軍事基地に行って他にもニューヨークやラスベガスなどにも行ったんですが、すごい面白かったんですけど、同じような刺激なので段々麻痺してきてしまったと……。
それで近くの国に行ってみたいなと思って、中国に行ってみたんです。一応マクロスはカルチャーショックをテーマに作っていたんですが、隣の国の方が遥かにデカルチャーだったんですよ。トイレに入れば全部顔を見合わせながらですし、食べ物を食べれば(食べている物を)吐き出してテーブルを汚していくのが、ご馳走だという意味だったり。それくらい風習が違ってて、すごく面白かったんですよね。良いとか悪いではなくて、価値観ってこんなにも違うんだなと。自分が常識と思っている“良い”ってことが、彼らの世界ではそれは美味しくないと言っている事になってしまったり、それが面白くて。 でも、一番ショックだったのは地方の少数民族の所を回っていたんですけど、電気が来てないところもあって……。でも、テレビがなくなったとたんに子供の目が凄い綺麗になってイキイキとしてくる。自分はずっとTVの仕事を数年間駆け抜けてやってきて、コレで良しと思ってやってきたんですけども、「TVがないほうがいいんじゃないか。」みたいな……感覚になって。それが凄いショックでしたね。この後日本に帰ってきた時に、生物に見えないんですよね、日本人が。なんか全部造花に見えてしまって。綺麗なんだけど凄い整いすぎてて。で、向こう(中国)には生物としての人間が居たのに、現代社会ってどんどん生命力を落としているんじゃないか、みたいなそんな気持ちになっちゃったんですよね。
──本当にデカルチャーの話を作った後にご自分でデカルチャー体験をしてしまったと。
河森:もう、超デカルチャーですね(笑)。
『マクロスプラス』
最先端科学と最も原始的なもの
──色々な取材で体験をされて、ご自分的に日本に対する疑問見たいなものが浮かんだんですね。
河森:そうですね。なんか(日本は)すごい社会的な催眠、集団催眠にかかっている様な気がして。そんな時にプロデューサーの一人から「もう10年経ったら、時効だから『マクロス』作っていいんじゃないか」と聞かされて(笑)。同じことは2度とやらないと言っていたんですが、時効ということで……集団催眠とか洗脳をテーマにしてなら作れるなと思いましてこの『マクロスプラス』で菅野さんと初めて組めて。これ以降ずっと菅野さんに音楽をお願いしているケースが多いんですけれど。
──中国の奥地に行って影響を受けた方が作ったとはとても思えない雰囲気なのですが(笑)。
河森:両極端なんですよね。最先端科学と最も原始的なものが好きなんですよね。
──空母の写真があるのですが。
河森:これはあの、『マクロスプラス』のあと『Kenjiの春』の準備期間に空母に3日間乗れることになりまして、洋上航海に行って。「自由に歩いていいから」ということで離発着するときもブリッジの横から見ていたんですが、真冬なうえに時速50キロくらいで進んでいるので、ものすごく寒いんですよ。でもそこにアフターバーナー噴かしたジェット機の熱風がくると暖かいんですよね。で、この冷たい、暖かい、冷たい、暖かいっていうのが『kenjiの春』の「冷たくて暖かい」というセリフになって……(笑)。その時にコレで『Kenjiの春』はイケルな……と(笑)。
──中国に行って『マクロスプラス』が出来て、空母に乗ると『Kenjiの春』で出来るんですか(笑)。
河森:はい(笑)。
『アルジュナ』
外から中に入ってくるものって全て食べ物
──アルジュナとジャングルへの取材と、初めて実体験と作品が繋がった気がするのですが(笑)。
河森:そうですね。原子力発電所のネタをやるつもりだったので、取材に行ったのですがその2、3日前に東海村が臨界事故を起こしてしまって。取材中も黒服に付き纏われて、凄いピリピリした中での取材になりました。でもこういう時こそ見ておくべきだなと思って。
──1つの作品の為に原発とジャングルの両方に行かれる方ってあまりいないですよね?
河森:そうですねー。あとアマゾンにも行ってきて。ほとんど行きたいから行ってるだけなんですけどね。他にもインドにも行ってきています。アルジュナという名前自体がインド神話からモチーフにしているので。インドに行ってアユールヴェーダという民間医療でトップのお医者さんで、もう90超えている方なんですけど、手首の脈を20秒くらい触るだけで、人間ドックで悪いと言われた所をすべて指摘されたり。あと、脈だけで前の日食べたものを当てられるんですよ。「貴方、昨日○○食べたでしょ。それは食べすぎだから」とか、そういう事言われて。その時に食べ物ってそんなにも重要なんだなと思いました。頭では分かっていたんですが、実感として感じて。それで食べ物をテーマでいこうと思ったんです。食べ物自体、大きく言えば、空気とか酸素も食べ物だと思うし、情報も一種の食べ物だと思うんですよね。外から中に入ってくるものって全て食べ物だと思うんですよ。 それから、自然農についても興味があって、実際に畑に行ってみたりしました。
『マクロスゼロ』
戦争体験があまりに無いと申し訳ないなと
河森:これは学生時代に友達たちとトラック島に初めて行って、凄い景色が綺麗だったんですけども、第2次世界大戦の激戦地だったので、浜辺にB25という爆撃機の機首がコックピットごと中にも普通に入れる状態で落っこちているんですよ、波打ち際に。沈没船もいっぱいあるし戦車もゴロゴロ転がっているし。で、こんな綺麗なところで戦争したんだと、初めて実感したんですね。
自分の両親は戦争体験があって……色々と聞かされてはいたんですけど、やっぱり戦争をテーマに扱うアニメを作っていながら、戦争体験があまりにないとなんだか申し訳ないなという気持ちになって。で、この後『マクロスゼロ』のために、ベトナム戦争の最大激戦地の一つのラオスに取材に行ったんです。そこならベトナムより観光化されていないんで昔の印象が残っているだろうということで行って来たんですよね。
──この焼け焦げたものは?
河森:これは寺院が爆撃と戦車砲の的代わりされて破壊された所ですね。
──なんとも言いがたいものが……。
河森:そうですね。でも、暮らしとかすごいのどかで、ほとんど江戸時代のような暮らしをしてて。高床式住居の下にはみんな機織機があって、女性がみんな機織しているんですけど、自分の服を織っているんですよね。お土産用ではなくて。
──そんな生活の横にこういう大砲があったりするんですか!
河森:対戦車砲にぶら下がっているのは特技監督の板野さんですね(笑)。他にも500キロ爆弾や1トン爆弾のクレーターがまだ残っていたり。今でも不発弾だらけなので「手榴弾でお手玉をしてはいけません」とか書いてあったり。
──そしてまた飛行機での移動なんですけども。
河森:上空からクレーター、爆撃跡を見ながら、こんだけ戦争やっていたら「アメリカ大変だよな」みたいな話をしていたんですよね。アメリカ人がではなくて、そういう戦争好きな経済至上主義者のやり方ですかね。で、その日が9.11の当日で……。貿易センターもペンタゴンも取材に行ったことあったので、なんか自分の足元が崩されるようなそんな感じがしましたね。
──この時って『マクロスゼロ』の取材の為に来られていたと思うのですが、作品にも影響はあったのでしょうか。
河森:作品への影響としては、先ほど話した空母の話も生かしてて、戦記モノみたいなストーリーだったんですけど、「作っちゃダメ」って話にもなるし、自分でももう、何のための戦いかもわからなくなっちゃうので、戦いメインに出来なくなってそれで、神話的なファンタジーとしてなら、なんとか捕らえることが出来ないかという感覚になっていた時期でしたね。
『アクエリオン』
深層心理と神話性
──あ、『アクエリオン』っていうのは色々とやりたい事があるんだろうなと思ったんですけど、スタートはそこだったんですね。
河森:そうですね。現代人って自分も含めてなんですが、頭脳と肉体と深層意識というか魂というかがバラバラな気がして。そこの連携が取れていない、だから頭で世界の各地でまだ戦争が起きているとか思ってても普段の暮らしは普通にやっちゃうし、食べ物がどれだけ汚染されていると思っても食べちゃうし。だからその頭と体が連動していたらばそんなこと起きないはずですよね。で、その分離していたものが合体した時にどんな感覚が起きるのか、何が見えるのかみたいなそういうもの……。よく、合体して力が強くなるロボットはあったんですけど、合体すると、そういう感覚が広がるようなものが作りたいな、と思いました。で、感覚が広がるとなんか気持ちいいんじゃないかみたいな。それで「合体するとキモチイイ」ってそっから出てきているんですけども(会場笑)。 『アクエリオン』は真面目なことは出来るだけ馬鹿馬鹿しく、くだらないことは真剣に作るという、逆の作り方を楽しむみたいな作品でしたね。
──じゃあ、あの裸足のシーンとかも?
河森:ですね。裸足でロボットする人はめったにないだろうということで。ただ実際、足跡を見ただけでその人の心理状態から何から見れちゃう人が現実に取材先にいたりするので。不動司令という彼が使った能力というのは、全て取材先で会った人々の能力の合成です。
──全てですか! 想像だけで作った能力は……?
河森:ないです。7、8人の方の能力を合成して、もちろんちょっとオーバーにしていますけど、基本はそうですね。もしかしたらこういった能力が普通だった時代があったんじゃないだろうかと思って。世界の各地を回っててテクノロジーが入ってない所の人たちを見ているとそういう能力が残っている人が多いんですよね。それが自然だったりするので……。でも現代人にも残っているのならば、そういうものを見ているだけでそういう感覚が何千人に一人でも良いので、甦ってくれないかなと思っていました。
『上海大竜』
改めてアニメーションって良いな
──そして、アクエリオンを経てもしかしたら劇場でご覧になった方もいれば、この中では観た方が少ない方の作品かもしれないですが、『上海大竜』という作品があります。これは『ジーニアス・パーティー』という沢山のアニメ監督がコラボレーションで作った作品です。
河森:そうですね。制約は無し無制限、でも10分で作ってくださいという「それ制約あるだろ!」みたいなやつなんですけど(笑)。でもあんまり商業性に捕らわれなくて良いということだったので、その昔見た中国の子供たちとか、カルチャーショックネタみたいなものを可愛らしく作れないかなと思ってやってみたんですけどね。この作品は原点として描いた絵が動くとか、自分の想像が形になるって言うのがアニメーションだと思ったので、それもストレートにやって。また改めて「アニメーションって良いな」と思ったんですよね。
元々アニメーション自体、その言葉がアニミズムからきてる、「命を与える」ということだから、生命力をもう一回復活したいな。そんな気持ちはありましたね。
『マクロスF』
馬鹿なことやった『アクエリオン』の逆にオーソドックスに戻して
河森:「マクロスフロンティア」の移民船団はご覧になった方にはわかると思うのですが、温室みたいな形のデザインにしていまして。日本人ってやっぱり凄い温室のような所に住んでいると思うんですよね。生命維持装置付きの中に住んでいて、テクノロジーに生かされている。そこがバジュラという存在が来て、ビニールハウスが破られて外界に触れられたときに何が起きるか……みたいなものをアイドル歌手の曲に乗せて贈るみたいな。そういう極端なエンターテイメントのギャップがあるんですけどね(笑)。
──今回また、歌があってバルキリーがあって、三角関係があるっていう原点に戻った理由は?
河森:25周年なんで区切りなのと、周り中から「もう『マクロス7』より変えないでくれ」とか「『アクエリオン』よりも変えないでくれ」とか言われたので、まぁちょうど『アクエリオン』で馬鹿なことやったんで、逆にオーソドックスに戻しても良いかなと思って。
──じゃあ、『マクロスF』が大エンターテイメント路線であったというのは、やりたいことは『アクエリオン』でやりきったからですか?
河森:お馬鹿なことは『アクエリオン』でかなりやっていたので。もし、『アクエリオン』やっていなかったならば、アルトは裸でバルキリー操縦していたかもしれませんね。変形しながら「キモチイイ」とか、そういう話になったかもしれません(笑)。
──そのフロンティアも観てみたいですね(笑)。
河森:作ってみたい気もしますけどね。(会場笑)
『マクロスF劇場版』
感覚で身体まで伝わらないとつまらない
──この後、マクロスフロンティアは劇場版が予定されていると思いますが。
河森:そうですね。今日この会場でも大きなスクリーンで観ていただいていますけど、元々「マクロス」のコンセプト自体が、自分達の生活の中に戦争が入ってきたとか、自分達の生活が生態系に侵略戦争を続けているとかなわけですよ。でも、現代人は皆、その侵略戦争を継続しているということを忘れてしまっているので、それを体感できないかなと思って作ったんですけれども。なるべく大画面・大音響でやった方が感覚的に伝わるなぁと。頭でいくら伝わっても意味なくて、感覚で身体まで伝わらないとつまらないので、出来れば劇場版は最初は必ず劇場の大きい画面で観てほしいと思いますね。
──作品を作る人として、そういったカルチャーショック体験をどういう風に考えていらっしゃいますか?
河森:カルチャーショック体験を作品を見ている最中に味わっていただければ最高だし、もしその中の何人かに一人でも、僕が行った様な場所だったり、行けないようなもっと変わった場所だったり、そういうところに行くと必ずものの見方が変わると思うので、その変わった目線でもう一回日本を見たり、自分の作品を観てもらえると、まったく違う楽しみ方が出来るように設計しているんですよ。おそらく、全部意味がひっくり返るとか、全部内容が変わったり。そうしないとまだ自分の実力だと頭と身体と魂を繋ぐ様なものって出来切らないかもしれない。ただ、もしかしたらそれが起きるかもしれないし、それが繋がった瞬間に感じる感覚の広がりみたいな。それこそが真のエンターテイメントだと思っているので。時限爆弾方式と呼んでいるんですけど、なにも画面を見ている最中だけのエンターテイメントじゃなくても良いんじゃないかという実験をやっているつもりなんですよね。
──そして、『劇場版のマクロスF』のお話をしていただきましたが、これが今後のお仕事としてハッキリと決まっているわけですね。
河森:そうですね。(劇場版は)決まっているですけれども、他にも大量に新作準備中なので……こんなに重なって企画が進行していることは滅多にないくらいで……。
──そうなんですか。ではなかなか普通の人が行こうと思わない未開の地に行こうと思っても(笑)。
河森:行きたいんですよねー。取材がしたいから仕事をしていると行ってしまう方なので(笑)。
──今日はお忙しい中、貴重なお話を沢山伺わせていただきました。河森監督本当にありがとうございました。
と、ここで盛大な拍手に送られて河森監督が退場した。
精力的に制作を続ける河森監督の原動力を見せてもらったような今回。興味深いお話を聞くことができた。
しかし、その直後スクリーンに映し出された映像は『バスカッシュ!』のPV! 河森監督のNEWプロジェクトは、自由自在に動くロボットによるバスケットボール!? NEWプロジェクトの詳細については、公式サイトをチェックしよう! この後、河森監督にインタビューすることができたので、そちらのレポートもチェックして欲しい。
【イベント情報】
東京国際映画祭2008“animecs TIFF”の公式プログラム“ビジョンクリエーター河森正治の世界”
日程:10月19日(日)15:00 -17:00(開場14:40)
場所:六本木会場[TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン6]
【関連リンク】
サテライト公式サイト:http://www.satelight.co.jp/
『マクロスF』公式サイト:http://www.macrossf.com/
『バスカッシュ!』公式サイト:http://basquash.com/
©2007 ビックウエスト/マクロスF製作委員会・MBS |
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